この記事では、「損なう」と「失う」の違いを分かりやすく説明していきます。
「損なう」とは?
「損なう」は「そこなう」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「物語を壊して使えなくする」という意味で、傷つけたり崩したりして使えない状態にすることを言います。
2つ目は「人の感情や体調が悪くなる」という意味で、人の気分や健康を害することを言います。
3つ目は「命を奪う」という意味で、人を殺傷することを言います。
4つ目は「ある動作を失敗する」という意味で、「書き損なう」など動詞の連用形に付いて使われます。
5つ目は「ある機会を逃す」という意味で、「言い損なう」など動詞の連用形に付いて使われます。
上記に共通するのは「だめにする」という意味です。
「損なう」の使い方
「損なう」は「物語を壊して使えなくする」「人の感情や体調が悪くなる」「命を奪う」「ある動作を失敗する」「ある機会を逃す」という意味で使われます。
動詞として「損なう・損なった」と使われたり、副詞として「損なって」と使われたり、名詞として「出来損ない」などと使われたりします。
基本的に、通常の状態にあるものが悪い状態になったり、価値を下げたりすることに使われる言葉です。
「失う」とは?
「失う」は「うしなう」と読み、主な意味は以下の通りです。
1つ目は「今まで持っていたものや備わっていたものをなくすこと」という意味で、手にしていたものをなくすことを言います。
2つ目は「安定した状態でなくなる」という意味で、通常の状態でなくなることを言います。
3つ目は「大切な人と死別する」という意味で、かけがえのない人が亡くなることを言います。
4つ目は「手に入れかけていたものを取り逃がすこと」という意味で、すぐ側までやってきたものごとを逃してしまうことを言います。
5つ目は「相手と競い合っていて点数を取られること」という意味で、競技やゲームなどで得点を入れられることを言います。
上記に共通するのは「今まであったものをなくす」という意味です。
「失う」の使い方
「失う」は「今まで持っていたものや備わっていたものをなくすこと」「安定した状態でなくなる」「大切な人と死別する」「手に入れかけていたものを取り逃がすこと」「相手と競い合っていて点数を取られること」という意味で使われます。
動詞として「失う・失った」と使われたり、副詞として「失って」と使われたりします。
基本的に、それまであったものや、自分の持っていたものがなくなることに使われる言葉です。
「損なう」と「失う」の違い
「損なう」は「通常の状態にあるものが悪い状態になること」「価値を下げること」という意味です。
「失う」は「それまであったものや、自分の持っていたものがなくなること」という意味です。
「損なう」の例文
・『会社の備品を損なう』
・『本人の気持ちを損なう書き込みが目立った』
・『暴飲暴食は健康を損なうのでやめた』
・『ついうっかり手紙を出し損ねた』
「失う」の例文
・『彼はコロナ禍で職を失った』
・『彼女は事故の知らせを聞いて気を失いかけた』
・『私は大地震で親戚を失った』
・『彼は失言により大きなチャンスを失った』
まとめ
今回は「損なう」と「失う」について紹介しました。
「損なう」は「駄目にする」、「失う」は「それまであったものをなくす」と覚えておきましょう。