この記事では、「逡巡」と「躊躇」の違いを分かりやすく説明していきます。
「逡巡」とは?
あることを行う、行わないということを、はっきりと決められないで、ぐずぐずとすることです。
大学に入るか、どうかについてで考えてみます。
大学に入るか、入らないかは、高校の2年生ころには考え始めることでしょう。
大学の申し込み直前になって「よし、入ろう」と決めることはないなずです。
何か月という長い期間をかけて考えます。
すぐに決められる人もいれば、どうしようか迷ってなかなか決められない人もいます。
決められない人は、先生や親から「早く決めなさい」といわれても、決断することができません。
ぐずぐずと決定を先延ばしにします。
「逡巡」は後者のさまをいいます。
「逡巡」の使い方
あることを行う、行わないと決めることができないで、ぐずぐずすることを指して使用します。
決断に迷うことが短い時間の場合にはあまり使用せず、決断するまでが時間的に長い場合に使うことが多いです。
「躊躇」とは?
何かをしようとするときに、ふと迷ってしまい決められないことです。
バレンタインデーに好きな人にチョコレートを渡すことで考えてみます。
好きな人を目の前にするまでは、「このチョコレートを渡すのだ」とはっきり心に決めていました。
そのために、数日前からお菓子作りの練習をし、前日には自分で納得のいくものを作りあげていました。
ラッピングにもこだわり、きれいに包装をしています。
こんなにもしっかりと準備をしているのだから、渡すということをはっきり心に決めています。
しかし、いざ渡そうというときになって、好きな人を目の前にすると、「こんなもの渡して嫌われないだろうか」「やっぱり恥ずかし」など迷いが出てしまいました。
迷いが出てしまったために、すぐに渡すことができません。
この状態が「躊躇」が意味するものです。
「躊躇」の使い方
何かをしようとするときに、迷いが出てきて決心できないことを指して使用します。
何かをする前にふと迷いが出ることをいい、時間的に長いものには使用しません。
「逡巡」と「躊躇」の違い
あることを行うのか、行わないのかを決められない状態という点が似ている2つの言葉ですが、使い方に違いがあります。
前者は、迷っている期間が時間的に長い場合に使用をすることが多いです。
後者は、何かをする前にふと迷いが出て決められないことをいいます。
「逡巡」の例文
・『誘いにのるか逡巡する』
・『海外に単身赴任するか逡巡する』
・『長い間逡巡していた』
・『保護猫を引き取るか逡巡していた』
「躊躇」の例文
・『かわいい焼き菓子を食べることに躊躇する』
・『ここを歩いていいのか躊躇する』
・『話すことを躊躇してしまった』
・『食べることを躊躇している間にアイスが溶けた』
まとめ
決められずに迷うという意味が似ている2つの言葉ですが、使い方に違いがあります。