「悪運」
「悪運」は「あくうん」と読む言葉です。
世代を問わず一般的によく使われている言葉ですので、見たことも聞いたこともないという人は少ないのではないでしょうか。
「悪運」の意味
「悪運」という言葉には、「悪い事をしても咎められず、むしろ栄えるような運」、「運が悪いこと」という意味があります。
こうして見てみると、相反する2つの意味を持つ言葉であることが分かります。
「悪い事をしても咎められず、むしろ栄えるような運」というのは、言い換えれば運が良いということになります。
その一方で、「運が悪い」という意味も持っているのです。
どちらの意味で使われているのかは、前後の文から判断できることが多いので、反対の意味に取り違えてしまうことはあまりないでしょう。
「悪運」の言葉の使い方
ズルをして良い結果を手に入れたのに、誰にも不正がバレない人を指す時に「悪運が強い人」という使い方をします。
又、悪い事をして儲けているのに、誰からも咎められない会社を指す時には、「悪運の強い会社」のように使われます。
更に、そのような不正や悪事がバレて裁きを受けることになった時には、「これまでの悪運が尽きた」と表現します。
もう一つの「運が悪いこと」という意味で使う時には、「悪運続きで参った」、「悪運を絶ちきりたい」などという使い方をします。
ところで、事故にあったのに大事には至らなかった時など、不幸中の幸いという意味で「悪運が強い」という表現が一般的に使われていますが、本来は「不幸中の幸い」という意味合いはありません。
しかし、このような使い方も幅広く浸透していますので、固いことを言わずに、柔軟に受け入れるのがよいのではないでしょうか。
「悪運」を使った例文・短文(解釈)
「悪運」の意味や使い方が分かったところで、ここでは「悪運」を使った例文をご紹介しましょう。
「悪運」の例文1
「成功した企業の代名詞として知られていた企業が、長い間不正を働いていたことが発覚しました。< 悪運が尽きたということですね」
消費者を騙すような不正を働いていたことが内部告発により発覚したというニュースが、社会に大きなショックを与えることがあります。
そして、不正の上になりたっていた繁栄が崩壊することも少なくありません。
「悪運」の例文2
「私は悪運が強いようで、あんなにサボっているのに、誰にもバレていません」
要領の良い人というのは、サボるのが上手くいものですが、その反面、1度サボっただけなのに、すぐにバレて怒られてしまう人もいます。
生まれ持った運というのはあるのでしょうが、要領の良し悪しが、運を左右するということも、日常的によくあるものです。
「悪運」の例文3
「彼は、さんざん悪事を働いてきましたが、一度も罰をうけたことがありません。 悪運の強さに感謝していることでしょう」
世の中には、悪事を働いて得をしている人というのは、少なからずいるものです。
そして、罰を受けることなく、そのまま一生を送ることができる人もいます。
創作の物語では、そんな悪人は最後には罰を受けるというパターンが多いものですが、実際にはそうとは限りません。
悪人が得をして、正直な人が損をするというような世の中は、良い世界とはいえないものです。
「悪運」の例文4
「ここのところ不運なことがたて続きに起こっているので、お祓いをしてもらいました。 これで悪運が断ち切れるとよいのですが」
日頃は信心深くない人でも、あまりに不幸な出来事が続くと、神頼みをしたくなるものです。
有名なお寺にお札をいただきに行った経験のある人も少なくないのではないでしょうか。
そのことによって、運が上向いてきて、気持ちも前向きになれたという経験談を聞くこともよくあるものです。