この記事では、「ジレンマ」と「葛藤」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ジレンマ」とは?
解決が非常に困難なこと。
また、2つ以上の事柄の間に板挟み状態となり、決めかねている様子を意味する「ジレンマ」。
「ジレンマ」の場合、どちらが正解とは言い切ることができず、結果、一方を選ぶことができたとしても、何らかのデメリットが生じてしまうことが多くなります。
そのため、「窮地」と同じような意味として用いられることもあります。
そのほか類語として、「板挟み」や「もやもや」などがあります。
語源はラテン語の「dilemma」です。
「ジレンマ」の使い方
「ジレンマ」の場合、「ジレンマする」といったような使い方は行われず、「ジレンマがある」、「ジレンマを感じる」、「ジレンマを抱える」、「ジレンマに悩む」、「ジレンマを解消する」など、「ジレンマ」をどのように対処しているかといった形で使用されることが多くなります。
「葛藤」とは?
人同士が譲り合うことなく対立し、いがみ合うこと。
心の中に2つの感情や考えがあり、どちらを選ぶか迷うこと、を意味する「葛藤」。
自分の中で、どちらを選べば良いのか判断しきれず、様々な感情が心の中でせめぎ合う、そんな、状態を指します。
その様子は、周りから見れば、イライラしているとも見えます。
そんな状態を意味する「葛藤」の類語は、「軋轢」や「衝突」となります。
「葛藤」の使い方
自分の心の中で様々な考えや感情があり、決めることができない状態を意味する「葛藤」。
使い方としては、何かに「葛藤する」といった使い方をはじめ、何かの「葛藤に苦しむ」、「葛藤が生じる」。
また、どんな「葛藤」なのかを意味する、「自分との葛藤」、「親子の葛藤」などがあります。
「ジレンマ」と「葛藤」の違い
「ジレンマ」の場合は、2つ以上の事柄の間に挟まれた状態で、どちらも選ぶことができないことを意味するものとなります。
「ジレンマ」の場合、2つ以上の事柄は正反対なものとなり、どちらを選ぶことでデメリットが生じることも多くなります。
一方、「葛藤」の場合は、どちらか1つを選びきれない状態を意味し、それに対し悩み苦しんでいる様子を意味しています。
このようなことから、親と子の間で考え方が異なる場合、「親子の葛藤」と表すことができますが、「親子のジレンマ」といった表すことはできないといった違いがあります。
「ジレンマ」の例文
・『ジレンマを抱えたまま、生活するほど苦しいことはありません。』
・『子供との生活を取るべきか、仕事を取るべきか、多くの女性がジレンマに苦しんでいるのではないだろうか。』
・『社会人になって初めて、これほど多くのジレンマを抱え生活しなければいけないのだと知りました。』
・『ジレンマを解消するため、一歩踏み出す決意を固めました。』
「葛藤」の例文
・『クラスでの人間関係の難しさに日々、葛藤している私です。』
・『これほど、息子と親子の葛藤が続くとは思いませんでした。』
・『将来の選択について、自分の気持ちと葛藤しているところです。』
・『理想と現実の違いに葛藤する。』
まとめ
以上が、「ジレンマ」と「葛藤」の違いです。
使い方が異なるため、よく理解したうえでの使い分けが必要です。