「両成敗」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「両成敗」とは?意味と使い方

この記事では、「両成敗」の意味を分かりやすく説明していきます。

今さら聞けない言葉を、正しくおさえていきましょう。

「両成敗」とは?意味

両成敗(りょうせいばい)とは、喧嘩している人をどちらも同じように罰すること。

一方の肩を持たずに、どちらも同じように処罰することです。

揉め事が起こったとき、平等に処分をおこなう方法をあらわします。

そもそも「両成敗」とは「両方を成敗する」と書きます。

「成敗」には「こらしめる・裁く」という訳があります。

そのためトラブルが起こった際に、両方にお仕置きを与えること、同じようにお灸をすえることを両成敗と呼んでいます。

「事件になるような問題を起こす」双方に問題があると考えるのが、両成敗の考え方です。

言い分を聞かないのでおかしいように思えますが、ある意味しごくまっとうな理論です。


「両成敗」の概要

「両成敗」というのは、戦国時代に生まれた武士の心得です。

今川義元や武田信玄は、とくに両成敗を重んじていて、喧嘩があったとき「どちらも罰すること」を厳しく徹底していました。

とくに今川義元は「喧嘩の理由に関わらず、双方とも死罪にする」と厳しいルールを決めていました。

当時の小競り合いは今のような軽いものではなく、武力を戦わせる荒々しいものだったからです。

そのため「喧嘩を仕掛けられても、我慢した者は罪を軽くする」と注釈を加えて、部下のしつけをしていました。

裁判がある現代では考えられないルールですが、いかにも戦国時代の武将らしい生き様です。


「両成敗」の言葉の使い方や使われ方

「両成敗」はこのように使います。

・『またお友達とケンカ?喧嘩両成敗というから、早めに仲直りしてね』
・『父は両成敗主義。えこひいきはしない人だったよ』
・『あの騒動はどっちもどっち。両成敗すべきだと思うよ』
「両成敗」とは、どちらか一方の味方をするのではなく、どちらも同じように罰をあたえること。

そのため「喧嘩を起こした、双方とも悪い」という価値観を伝えたい時に使います。

また、誰に対しても平等な人に対して用います。

争っている人同士が、どんぐりの背比べで大差ない場合にも利用します。

「両成敗」の類語や言いかえ

「両成敗」と同じような言葉に、次のフレーズもあります。

・喧嘩両成敗
・等量斉視
・怨親平等
等量斉視(とうりょうせいし)とは、同じように扱うことです。

どちらかに肩入れしない、平等なさまを伝えた言葉です。

怨親平等(おんしんびょうどう)とは自分の仲間を大切にし、ライバルを蹴落とそうとせず、等しくあつかうことです。

まとめ

「両成敗」の意味と使い方をおさらいしました。

両成敗とは争いが起こった場合に、どちらも同じように罰すること。

トラブルを起こしたことに、重きをおく考え方になります。

もともとは戦国時代の武将が編み出した、武士道のひとつです。

法の下ではあまり用いられない考え方ですが、知識としてたくわえておきましょう。

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