「勧める」と「薦める」と「奨める」の違いとは?分かりやすく解説

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「勧める」の意味とは?

「勧める(すすめる)」の意味は、「人にある行為(活動)をするように働きかけること」「人にある行為(活動)をした方が良いとすすめること。

勧誘すること」
になります。

例えば、「スポーツを勧める」「大学進学を勧める」「村上春樹の小説を勧める」などの文章で使われます。

更に、「勧める」には「自分が価値があると思っている行動・活動を積極的にするようにと後押しすること」「お酒・飲食物・モノを提供して利用するように促すこと」の意味もあります。

例えば、「ボランティア活動を勧める」「お酒を勧める」「座席を勧める」などの文章で使用されます。

「薦める」の意味とは?

「薦める(すすめる)」の意味は、「人物・事物を推薦(すいせん)すること」「人物・モノを採用(選択)するようにと働きかけること」になります。

「薦める」という言葉には、「複数の人・物の中から、特定の人・物を採用(選択)するように推薦すること」の意味合いがあるのです。

例えば、「今年話題になった感動的な映画を薦める」「特定のダイエット方法を薦める」「学級委員長として彼女を薦める」などの文章で使うことができます。

「奨める」の意味とは?

「奨める(すすめる)」の意味は、「人にある行為(活動)をするように働きかけて奨励(しょうれい)すること」「人にある行為(活動)をするように積極的に働きかけて励ますこと」になります。

「奨める」は常用漢字表に含まれない読み方なので、敢えて使わないこともあります。

「奨める」という言葉は基本的に「勧める」と同じ意味合いで使うことができますが、「奨める」という言葉には「上位者(公官庁)が下位者(人々)に奨励する」といったニュアンスが含まれています。

「奨励」の意味は、「ある活動や事柄を良いこと(正しいこと)として、それをするように人に強く勧めること」になります。

「勧める」と「薦める」の違い

「勧める」「薦める」の違いは、「勧める」「人にある行為(活動)をするように働きかけて勧誘すること」を意味していますが、「薦める」「特定の人・モノを採用(選択)するように推薦すること」を意味しているという違いがあります。

例えば、「語学の勉強を勧める」とは書きますが、「語学の勉強を薦める」とは書けません。

また、「代表者に薦める」とは書きますが、「代表者に勧める」とは書けない違いもあります。

「勧める」と「奨める」の違い

「勧める」「奨める」の言葉は、どちらも「人にある行為(活動)をするように働きかけること」「人にある行為を積極的にするように励ますこと」を意味しています。

強いて言えば、「奨める」の方が「その活動を積極的にするように励ますこと・奨励すること」の意味のニュアンスが強くなっているという違いがあります。

例えば、「海外ボランティアをするように勧める」よりも「海外ボランティアをするように奨める」の方が、より強くボランティアをするようにと勧めて励ましている感じが強くなります。

「薦める」と「奨める」の違い

「薦める」「奨める」の違いは、「薦める」「特定の人・モノを採用(選択)するように推薦すること」を意味していますが、「奨める」「人にある行為を積極的にするように励ますこと・奨励すること」を意味しているという違いがあります。

例えば、「ある小説を薦める」とは書けますが、「ある小説を奨める」とは書けない違いがあります。

また、「社会貢献を奨める」とは書けますが、(社会貢献は推薦するモノではないので)「社会貢献を薦める」とは書けません。

「勧める」の使用例

「勧める」の使用例として、特定の行為(活動)をするように勧誘するという意味で、「運動部に入ることを勧める」「登山を勧める」「音楽鑑賞を勧める」などが上げられます。

「お酒・飲食物・モノを提供して利用するように促すこと」の意味では、「勧める」の使用例として、「食事を勧める」「ワインを勧める」「ベッド(座布団)を勧める」などがあります。

「薦める」の使用例

複数の人・モノの中から特定の人・モノを採用するように推薦するという意味で、「薦める」の使用例として、「政治家として彼を薦める」「新しい化粧品を薦める」「次期社長にはあの人を薦める」「この素晴らしい本を人に薦める」「贈り物として薦める」などを上げることができます。

「奨める」の使用例

人にある行為・活動を積極的にするように奨励するという意味で、「奨める」の使用例として、「ボランティア活動を奨める」「社会的困窮者への寄付活動を奨める」「ビジネスの勉強会を奨める」「健康増進のための運動を奨める」「節約と貯金を奨める」「社会的投資を奨める」などを指摘することができます。

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