「十字架を背負う」とは?意味や使い方を解説

ことわざ・慣用句

「十字架を背負う」について

「十字架を背負う」「じゅうじかをせおう」と読みます。

宗教から来た言葉ですが、現在では関係なく幅広く使われている言葉です。

「十字架を背負う」の意味とは

「十字架を背負う」の意味と由来について紹介します。

「十字架を背負う」の意味

「十字架を背負う」の意味は「とても辛い苦しみや自分に課せられたこと、或いは犯してしまった罪を、生きている間一生持ち続けること」です。

生まれながら障害を持っていて通常の社会生活を送るのが困難な人や、重大な罪を犯してしまった人、心に大きな負担がかかる程の辛い思いを抱えている人などの人生に対して使われる言葉です。

一生消えることのない苦しみや辛さを「十字架を背負う姿」に例えているのです。

「十字架を背負う」の由来

「十字架を背負う」は聖書から来た言葉です。

新約聖書でイエス・キリストが無実の罪で磔(はりつけ)の刑に処された時に、刑場であるゴルゴタの丘まで自らの十字架を背負って歩かされました。

イエス・キリストは自分を貶めた全ての人の罪を償う為にその刑を受けたのです。

マタイ福音には「私についてきたいものは、自分を捨て自分の十字架を背負い、私に従いなさい」という一節があります。

このことから人生の苦難を背負った状態を「十字架を背負う」と言う様になったのです。

「十字架を背負う」の言葉の使い方

「十字架を背負う」の使い方には以下の様なポイントがあります。

ただの苦労には使わない

「十字架を背負う」は、罪や過ちを犯したことではなく、その結果その後の人生が苦渋に満ちたものになった時や、病気や事故による障害で一生困難を抱えて生きて行かなければならない、継続的な状況の時に使います。

犯した罪の大小やただ苦労をしただけでは使いません。

人に対して使う時には配慮をすること

「十字架を背負う」は対象となる人にとっては一生続く困難を表しています。

人によってはプライベートなことなので触れて欲しくないこともあるでしょう。

人に対して使うと相手を傷つけてしまう可能性が高く、使う時には最大限の配慮が必要です。

「十字架を背負う」を使った例文

「十字架を背負う」を使った例文と解釈を紹介します。

「十字架を背負う」の例文1

「彼は交通事故で人の命を奪ってしまい、一生重い十字架を背負うことになった」

交通事故はどんなに注意をしても起きてしまうものです。

飛び出しによる事故で歩行者の命を奪ってしまい、一生罪の意識に苦しめられることを表しています。

「十字架を背負う」の例文2

「十字架を背負って生まれてきたと言われているけれども、私はそうは思いません」

生まれつきの障害を持っている人でも、努力して日常生活を送っている人もいます。

今の生活が充実しているので障害を気にせずにいられるというポジティブな気持ちを表しています。

「十字架を背負う」の例文3

「今善行を積んでおかないと子孫が重い十字架を背負うことになるよ」

悪い商売をしている人に対して戒める言葉です。

自分が悪いことをすると、悪評により子孫が恥かしい思いや辛い思いをすることを表しています。

「十字架を背負う」の英語と解釈

「十字架を背負う」の英語は、聖書の英訳を参照すると“carry one’s own cors”」となっています。

全文は“And if you do not carry your own cross and follow me, you cannot bemy disciple”で訳は「そしてあなた自身の十字架を背負って私について来なければ、私の弟子にはなれません」となります。

「十字架を背負う」の類語や類義表現

「十字架を背負う」の類語は以下の通りです。

「枷になる」

「かせになる」と読みます。

意味は「あるものごとがその人にとって非常に重い重圧となってのしかかること」です。

枷とは罪人の手足や首に付けて身動きできない様にする鉄や木の道具です。

「重荷を背負う」

「おもにを背負う」と読みます。

意味は「困難や苦しみを抱えて生きていくこと」です。