「味噌を付ける」とは?意味や使い方を解説

ことわざ・慣用句

「味噌を付ける」

「味噌を付ける」「みそをつける」と読みます。

昔からよく使われている慣用句です。

「味噌を付ける」の意味

「味噌を付ける」の意味と由来について紹介します。

「味噌を付ける」の意味

「味噌を付ける」の意味は「失敗して恥をかくこと」「しくじって面目を失うこと」です。

普段は失敗する様なことはなくそれなりにプライドが高い人が失敗してしまい、恥をさらしてしまう様子です。

自分が不利になり不満を感じることよりも、評判を落としてしまう意味が強くなります。

「味噌を付ける」由来

「味噌を付ける」の由来には以下の2つがあります。

1つ目は、昔から味噌は火傷の特効薬とされてたことから来ています。

職人は失敗すると火傷を負ってしまうことがあり、その度に味噌を付けていたと言われています。

ミスをしたり間違ったことをしてしまうのは職人として恥ずかしいことであり、味噌を付けているのを人に見られると評価が落ちてしまうこともありました。

そのことから失敗することを「味噌を付ける」と言うようになったのです。

2つ目は、かんざし職人は火を使う職業であり、火傷をして味噌を付けている様な職人のかんざしは評判が悪い、という意味です。

昔から味噌は人々の大切な食料であり、非常に身近なものであったことから、味噌にまつわる諺が作られました。

「味噌を付ける」と「味噌が付く」

文章によっては「味噌が付く」という表現もあります。

しかし、上記の由来を考えれば味噌は「付く」ものではなく「付ける」ものです。

「味噌を付ける」と似たような意味の言葉に「ケチがつく」があり、この言葉と混同しているのですが、正しくは「味噌を付ける」です。

因みに「ケチがつく」「ケチ」は、「お金を惜しむ人」という意味の他に「不吉なこと」「縁起が悪いこと」という意味があり、こちらの意味になります。

ここから「縁起が悪いことが起こり、悪い評判が立ってしまうこと」の意味になりました。

「味噌を付ける」「失敗すること」の意味が強く、この点が違いになります。

「味噌を付ける」の言葉の使い方

「味噌を付ける」の使い方のポイントについて紹介します。

そのまま使う

「味噌を付ける」は慣用句ですので、動詞としてそのまま使います。

「付ける」を変化させて過去形にしたり、カジュアルな語調にも使えます。

ある程度レベルの高い人やものに使う

「味噌を付ける」「面目を失う」という意味ですので、ある程度レベルた高い人やものに対して使われます。

元々失敗する様な人やできない人に対しては使われません。

褒め言葉ではない

「味噌を付ける」「失敗して恥をかく」という意味ですので、褒め言葉ではありません。

プライドが高い人に向かって言うと相手を傷つけてしまうので注意しましょう。

「味噌を付けてしまって残念でしたね」などと言わない様にしましょう。

「味噌を付ける」を使った例文・短文(解釈)

「味噌を付ける」を使った例文です。

「味噌を付ける」の例文1

「最後のアンコールで構成を間違えて味噌を付けた」

バンドのライブで、とても良い演奏をして皆がノリノリで終わろうとしていたところ、アンコールの曲で構成を間違えてしまいボロボロになってしまいました。

折角ノッてくれたお客さん達も興ざめしてしまった様子を表しています。

「味噌を付ける」の例文2

「新規の顧客なのに納期が遅れて味噌を付けた」

折角新規で契約を取り付けた顧客なのに、納期が遅れてしまい相手から呆れられてしまいました。

営業が一生懸命お詫びをしなければんらない状況を表しています。

「味噌を付ける」の例文3

「食品業界は一度味噌が付いたら信頼を回復させるのは難しい」

食品業界は世間の評価が大きく影響するので、異物混入や不良品などのミスがあるとすぐに評価が落ちてしまいます。

落ちた評判を元に戻すのは難しいことを表しています。

「味噌を付ける」の例文4

「プレゼンでスライドに誤字があり味噌を付けてしまった」

大切なプレゼンで、スライドに誤字があり指摘されてしまいました。

折角の良いプレゼンが台無しになってしまい、返って恥をかいてしまったことを表しています。