「婿養子」とは?
この婿養子(むこようし)は、別名で入婿(いりむこ)とも呼ばれ、日本では女性と婚姻関係を結んだ男性の3%がこの婿養子だという統計が出ています。
「養子」と付くように、男性が女性側の家の籍に入ることになり、正式な養子縁組の手続きが婚姻と同時に行われます。
「婿養子」の意味を詳しく解説
婿養子は、婚姻時に女性の親の養子となる男性のことを指します。
よって、女性側の苗字となり、その家に入って生活することになります。
代々続いている旧家などでは、跡取りとなる男性が生まれなかった場合に、名跡が途絶えないようにこの婿養子を迎えることがあります。
他には一人娘の家庭が婿養子を迎えるというケースも多く見られます。
尚、男性が婚姻と同時に女性側の姓を名乗るだけでは、この婿養子とは言いません。
女性の親の養子になることが、この婿養子の定義です。
「婿養子」の言葉の使い方
婿養子は、そのような人を指す言葉ですが、あまりいい響きがないのも事実です。
有名なアニメ「サザエさん」に登場するマスオさんがこの婿養子で、家庭内での立場が弱く描かれていることから、婿養子と聞いただけで、苦労しているのだろうと思われることも少なくありません。
また、婿養子を揶揄してこの「マスオさん」と呼ぶことも多く、この場合には「立場が弱くてかわいそう」だという意味が強い表現だと考えてください。
「婿養子」を使った例文と解釈
婿養子は、それを聞いただけで(家庭内での立場の弱さなどから)悲哀が伝わってくるとさえ言える言葉です。
実際には全くそのようなことはなくても、どうしてもそのイメージが強い言葉だと言わざるを得ません。
その為、自分がその立場であっても、あまり人にそうだと伝えるのはやめておいた方がいいでしょう。
余計な同情をされることになるだけならまだしも、変にその話が広がってしまう(聞いた人が面白がって広めてしまう)ことまで考えられます。
「婿養子」の例文1
「あの人は婿養子なので、ほとんど小遣いをもらっていないらしい」
婿養子は、全てがそうだとは言いませんが、金銭面を女性側に管理されていることが多く、あまり自由になるお金がないことが多いのが一般的だと考えられます。
その為、婿養子だと分かっている人を仕事帰りなどに誘う場合には、そのようなことも考慮する必要があると言えるかも知れません。
「婿養子」の例文2
「婿養子に入るのが結婚の条件だと相手側の両親から言われて、とても考えている」
相手が一人娘だったり、兄弟が女性だけの場合には、このような条件を付けられることも少なくないと言えるでしょう。
それを了承した上で結婚するかどうかは、もちろん本人次第ですが、先のことまできちんと考えた上で判断する必要があると言えるでしょう。
「婿養子」の例文3
「サザエさんのマスオさんのイメージから、婿養子はあまりよく思われていないようだが、決してそんなことはない」
前述したマスオさんの存在から、婿養子は皆あのような立場なのかと思われているかも知れませんが、もちろん全てがそうではないでしょう。
逆に、妻を迎える形で女性が自分側の籍に入った場合でも、尻に敷かれているようなケースも数知れません。
「婿養子」の例文4
「自分は結婚して妻の側の苗字になったが、婿養子という訳ではない」
上でも説明しましたが、日本では結婚すると、必ず2人とも男女のどちらかの姓に統一しないといけません。
仕事上の理由で、職場では結婚後も旧姓のまま通すということもよく行われていますが、戸籍上はそうはいきません。
婿養子となる場合以外(女性の親の養子にはならない)でも、男性が女性の姓に変えるというケースがあります。
その理由は様々ですが、世帯主は男性の方にしても問題ありません。