「希望」と「渇望」はどちらも何かを望むことを表す言葉ですが、この二つの言葉の意味や使い方の違いは何でしょうか。
この記事では、「希望」と「渇望」の違いを分かりやすく説明していきます。
「希望」とは?
「希望」とは、「あることの実現を望み願うこと」や「将来に対する期待」を意味する言葉です。
「希」は、「希う(こいねがう)」という意味を持ち、「望」は「望む(のぞむ)」という意味を持つので、「希望」は、似た意味を持つ漢字を組み合わせた構成の熟語に分類されます。
ちなみに、「希望する」を英語に訳すと“hope”です。
類語としては、「望み」や「夢」があげられます。
「希望」の使い方
『この会社に入ることを希望します』というように、「希望する」という動詞の形で用いることが多いですが、『第一希望は何ですか』
というように名詞として用いることもできます。
また、将来に対する期待という意味で用いる場合には、『彼はこの国の希望の星だ』というような使い方をします。
「渇望」とは?
「渇望」は、「のどが渇いたとき水を欲するように、心から望むこと」を指します。
「渇」には、のどが渇く、水が尽きるという意味の「渇く(かわく)」の他にも、ひどく欲しがることを指す「渇る(むさぼる)」という読み方があります。
のどが渇いたときには何より水を強く欲するものなので、「渇望」もそのようなかなり強度な望みを表します。
「渇望する」を英語に訳すと“have a thirst for”,“crave for”など様々な表現があります。
「渇望」の使い方
なかなか日常会話の中で用いる機会はありませんが、希望や望みでは言い表せないような強い願いについて話すときに便利な言葉です。
『彼は作家になることを渇望している』『戦争のない平和な世界を渇望する』『彼女との結婚を渇望してやまない』というような使い方をします。
話し言葉で使うのも間違いではありませんが、フランクな日常会話の中で使うと少し大げさな印象を与えてしまうので注意が必要です。
「希望」と「渇望」の違い
この二つの言葉の違いは、一言でいうと「望む強さの度合い」です。
「希望」は、「~したいな」程度の望みの強さでも用いることができますが、「渇望」については、「絶対に~したい」「どうしても~したい」というような強い気持ちがあるときに使います。
ただ、望む気持ちが強い場合でも「希望」を使うことができるので、「希望」の方が使える範囲が広いといえるでしょう。
「望む」という意味の言葉として、「希望」「渇望」のほかに、切望、熱望がありますが、切望と熱望についてはどちらの方がより強いのか厳密には決まっていないようです。
また、「希望」には、将来への期待という意味もありますが、「渇望」にはこのような意味はありません。
まとめ
「希望」も「渇望」も同じ「望」という漢字を使った熟語ですが、どちらを使うかによってイメージが全く変わってくるので場面に応じて使い分けられるようにしましょう。