国会や政治にまつわるニュースの中には、意味の分からない言葉もあります。
この記事では、「戦後レジーム」の意味を分かりやすく説明していきます。
少し前の歴史を、平易に学んでいきましょう。
「戦後レジーム」とは?意味
戦後レジームとは、戦後から現在までつづく国家の在り方のこと。
第二次世界大戦の後に作られた「日本や世界の政治全体の仕組み」です。
戦後レジームには「レジーム」という聞きなれない外国語が入っています。
レジームとはフランス語で、政治の体制のこと。
国家がどのように動いているのか、世界がどのような秩序でまとまっているのか、あらわした言葉です。
「戦後レジーム」には「戦後」が付いているので直訳すると「戦争後の政治体制」になります。
第二次世界大戦で敗れた日本は日本国憲法をつくり、政治の在り方を模索してきました。
同じように世界でも、第二次世界大戦をきっかけに新しい体制づくりがおこなわれています。
戦後レジームには、戦争の後に築かれた「変わらない政治体制」をしめす言葉です。
「戦後レジーム」の概要
「戦後レジーム」という言葉が有名になったのは、長期政権を担った安倍内閣のスローガンです。
安倍内閣では「戦後レジームからの脱却」というメッセージを、国内外につよく発信していました。
戦後レジームからの脱却というのは、第二次世界大戦後に当たり前のように作られてきた世界の在り方や仕組みを「いま一度見直してみよう」という考え方です。
識者によっては「戦後レジームからの脱却」は、平和を重んじてきた日本国憲法の改正を暗にしめしていると非難する見方もあります。
「戦後レジーム」の言葉の使い方や使われ方
「戦後レジーム」は次のようなシーンで用います。
・戦後レジームの問題点について、話し合うシンポジウムが開かれた。
・憲法改正を唱える団体が、戦後レジームからの脱却をうったえた。
・「戦後レジームについての考えが、今回の選挙の争点になりそうだ」
戦後レジームは第二次世界大戦後に築かれた、国内外の政治体制をあらわす言葉です。
そのため主に政治や国会論争のシーンでつかわれます。
「戦後レジーム」の類語や言いかえ
戦後レジームと似た言葉には、次のような単語もあります。
・戦後レジームからの脱却
・戦後の政治体制
・第二次世界大戦後の国家体制
・日本国憲法の改正
戦後レジームは大戦後の世界の構造をさすこともあれば、日本の行政システムを示すこともあります。
また憲法改正の議論に繋がる「スローガンのひとつ」として用いられています。
まとめ
「戦後レジーム」とは第二次世界大戦後の、日本の教育や経済、防衛の仕組みのこと。
「世界の政治構造」をしめす場合もあります。
安倍内閣のスローガンが「戦後レジームからの脱却」だったため、国内でも注目されるようになった言葉です。
戦後70年を過ぎたいま、国の在り方を見つめ直す、ひとつのきっかけを与えてくれる用語です。