日本語には昔から使われている言葉の中にも、ちょっと変わった面白い表現がいろいろとあります。
その中でも、故事ことわざの「油を売る」と「道草を食う」は、今でも使われている言葉です。
この二つは意味合いが似ているようで、実は違うようです。
この記事では、「油を売る」と「道草を食う」の違いを分かりやすく説明していきます。
「油を売る」とは?
「油を売る」とはやるべき仕事を怠けて、時間を無駄にするようなことを意味します。
これは昔、髪の毛をの油を売る商人が、お客相手にいろいろな話をしながら、油を売っていたことからきていると言われています。
「油を売る」は仕事を怠ける、やるべきことをやらないなどを表現しているので、あまりよい意味では使われていません。
例としては「油を売ってないで、ちゃんと仕事をしなさい」などと使われます。
サボリーマンなどという言葉がありますが、まさに人の目を盗んで仕事をサボっている状態です。
なので、この場合も「油を売る」という表現がピッタリです。
主に仕事で使われることが多いですが、勉強などでも使うことができます。
「道草を食う」とは?
「道草を食う」とは目的地へ向かう途中で、他のことをやってしまい、なかなか進むことができないことを意味します。
もともとは馬が道中で、道端の草を食べてしまい、なかなか前に進まなくなっている状態から来ているようです。
昔はまだ車が無かった時代は、人や物の移動手段が馬でした。
そのため、馬が道草を食べてしまうと、なかなか進むことができずに困ってしまう状況があったようです。
人は道草を食べることはありませんが、人に対して使われている表現です。
本来の意味を知ることで、「道草を食う」の表現が分かりやすくなります。
「油を売る」と「道草を食う」の違い
「油を売る」と「道草を食う」の違いを、分かりやすく解説します。
「油を売る」、「道草を食う」のどちらも、やるべきことを後回しにしていると言う点では同じような意味合いかもしれません。
しかし、「油を売る」は主に仕事をサボる時に使われますが、「道草を食う」はさまざまな状況で使うことができます。
なので、どちらかというと「道草を食う」の方が、使われる頻度は高いかもしれません。
「道草を食う」を略して、「道草」だけでも、似たような状況を表現している場合もあります。
「道草を食う」は「寄り道をする」とも言い換えられます。
しかし、どちらもどこかへ行く途中で、目的以外のことをしてしまうと言う点では、あまり良いことではないのかもしれません。
まとめ
「油を売る」も「道草を食う」も、本来やるべきことをやらずに、サボって他の事をやっている状態の意味として使われています。
面白い表現ですが、決して良い意味ではないので、特に仕事中はこのようなことを言われないように気を付けたいものです。
故事ことわざには、実際に使われている状況とは違うところから来ているものもあります。
いろいろな表現もあるので、興味があれば、調べてみるのも面白いかもしれません。