リモートワークしている時に「この言葉はどっちだっけ?」と悩んでしまうこともあります。
在宅だと会社の同僚に気軽に聞きづらいため、迷ってしまうことも多いかもしれません。
この記事では、「準じる」と「順じる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「準じる」とは?
準じるという言葉には、ある判断にしたがう・ある考えに沿うという意味合いがあります。
何か1本ふとい中心軸のような物があって、それに従って行動するという意味が込められています。
シンプルな言葉に例えるのなら、マニュアルに沿って動いていくというイメージになります。
自分の考えに捉われるのではなく、何かのルールに沿って模範的に行動するという感じです。
ちなみに準じるの「準」という漢字は、基準のじゅんから来ています。
基準というのは物事の目安・よりどころという意味。
よりどころがあるからこそ、迷わずにたどり着くこともできます。
準じるはそうした安定感をもつ、迷いのない言葉です。
「順じる」とは?
一方でよく似た言葉に「順じる」があります。
準じるに比べるとあまり耳にしにくい言葉ですが、順じるには「師の教えを守る」という神々しい意味があります。
もともと「順」という漢字には、大人しくて静かというニュアンスがあります。
決して歯向かったりすることなく、強い人の指示にしたがうという厳かな意味も込められています。
順をつかった熟語に、素直に従うという従順(じゅうじゅん)という言葉があるのも、順にそういった意義がふくまれているからです。
けっして超えることの出来ない人の教えを、素直に守る・従っていく。
順じるにはそういった、神秘的な意味があります。
「準じる」と「順じる」の違い
誤解されやすい言葉に「準じる」と「順じる」があります。
少し難しいですが見る人が見ればわかる言葉のため、正しい区別を知っておくことも大切です。
「準じる」と「順じる」の違いを、分かりやすく解説します。
・ビジネスシーンでは準じる
法律の本を開くと「順じる」ではなく「準じる」の言葉を見かけることがあります。
一般的なオフィスシーンでよく使われているのは「準じる」の文字になります。
準じるは法律用語のひとつとしても認識されている言葉なので、どちらを使うべきか迷ったら「準じる」と記しておくことがおすすめです。
会社の規定に準じて、賞与を決定する・就業規則に準じて、アルバイトの始業時間を決める、などと言った使い方をします。
簡単に言うなら、社内の規定やルールにそった対応を取りますという意味になります。
・特異なケースでは順じる
またプライベートなシーンなどでは、まれに「順じる」を使う場合もあります。
権力者の教えに順じる、師の言い伝えに順じるなどの用い方をします。
宗教的な教えなど、特異なケースで用いられることも多い言葉です。
あまり頻度としては高くはないので、どちらか迷った場合にはポピュラーな「準じる」をあてがうのがおすすめです。
まとめ
日常的に迷いやすい「準じる」と「順じる」の違いを、分かりやすくお伝えしました。
ビジネスや法律の意味合いでよく使われるのが「準じる」。
私的な意味合いで用いられるのが「順じる」です。
両者の違いを知って、正しい日本語をインプットしていきましょう。