この記事では、「猟奇的」と「サイコパス」の違いを分かりやすく説明していきます。
「猟奇的」とは?
「猟奇的」【りょうきてき】とは、異常なもの、常識では考えられないものを強く求める様子、またはそのような行為を好む性格のことです。
一般に「残虐」【ざんぎゃく】さを伴うものとして用いられることが多くなっています。
「猟奇的」は「猟奇」に「そのような傾向がある」という意味を表す「的」を組み合わせた言葉です。
「猟奇」は、探してあさることを意味する「猟」と変わっていることを意味する「奇」から成り立ち、通常の状態ではない風変わりなものを強く求めることを指しています。
漢字の意味から「猟奇的」は「異常なもの、変わったものを好んで探し求める傾向」という意味を持つことがうかがえます。
実際のところは、異常性や残虐性、暴力的な要素を伴い、そのような好みや性格を指して「猟奇的」と呼ぶことも少なくありません。
主に、事件、小説や映画に出てくる暴力的な場面を形容するときに使われています。
似たニュアンスを持つ言葉には、変わっていて気味が悪いことを意味する「グロテスク」や、むごい行為を好むという意味の「嗜虐的」【しぎゃくてき】などがあります。
「猟奇的」の例文
・『この映画は独特な表現が盛り込まれ、猟奇的な作品に仕上がっている』
・『この町で起きた猟奇的な殺人事件は、町民を恐怖におとしいれた』
「サイコパス」とは?
「サイコパス」とは、反社会的、病的な人格を先天的に備えた者を指す用語です。
日本語では「精神病質者」とも表記されます。
「サイコパス」は“psychopathy”(サイコパシー)を持つ者という意味です。
「サイコパシー」は狭義には病気に分類されませんが、残虐な行為をすることに抵抗を感じない「反社会性パーソナリティ障害」に近いとされています。
特徴として、感情が極めて乏しい、良心が欠けていて慈悲を感じない、他人に共感できない、また、平気で人をだましたり残虐な行為をおこなったりする、などの兆候がみられるとされます。
反社会的な人格を持つといっても、必ずしも攻撃的な言動だけが目立つわけではありません。
口がうまく表面上は魅力的で物腰が柔らかいため、社会に順応して社会的な成功をおさめる者も少なくないといわれています。
同じような特徴を持つ人格に「ソシオパス」があります。
これは「社会病質」と呼ばれるもので、後天的な要因で形成されるところが「サイコパス」と異なります。
「サイコパス」の例文
・『友人は自分がサイコパスではないかと悩んでいたが、サイコパスは100人に2、3人しかいないそうだから違うだろう』
・『著名人の中にはサイコパスと思われる人物もいるらしいね』
「猟奇的」と「サイコパス」の違い
「猟奇的」と「サイコパス」の違いを、分かりやすく解説します。
「猟奇的」は異常性の強いこと、またはそのような性格のことです。
「サイコパス」は先天性の反社会的な人格を指す用語です。
「猟奇的」は変わった好みや残虐な行動を形容する表現ですが「サイコパス」は医学的な判断基準によって診断される病的な性格のことで、両者にははっきりした違いがみられます。
まとめ
「猟奇的」「サイコパス」は小説や映画などで目にすることが多く、同じような意味を持つ言葉と思われがちですが、意味は全く異なります。
「サイコパス」の意味は誤解されやすいので、正しい意味を確認して適切な場面で使えるようにしておきましょう。