この記事では、「繁栄」と「繁盛」の違いを分かりやすく説明していきます。
「繁栄」とは?
「栄える」という漢字を用いることからもわかるように、豊かに栄えるといった意味を持つ「繁栄」。
栄えて発展する、人が富を得る、地位を高める、といった意味もあります。
勢いは盛んで豊かに栄えるといった意味を持ちます。
同じような意味を持つ言葉には、「賑わう」、「栄える」、「発展」、「振興」、「繁華」、「盛況」などがあり、対義語は、勢いや活力が衰え弱まることを意味する「衰退」、「衰微」となります。
「繁栄」の使い方
「繁栄」には、「子孫繁栄」や「平和と繁栄」、「国家の繁栄」、「町の繁栄」などといった言葉のほか、「繁栄をお祈りします」や「繁栄を祈願する」、「繁栄を築く」などといった使い方もあります。
「繁盛」とは?
賑わい栄えることを意味する「繁盛」。
その中でも「繁盛」の場合、商売に特化した言葉として用いられる事が多い言葉となります。
単にそのお店や商売が儲かっている状況ではなく、大勢の人が押し寄せ店内が賑わいを見せている、そんな状態が「繁盛」している状態となります。
同じような意味を持つ言葉には、「大賑わい」や「開化」、「振興」、「繁昌」、「栄える」などがあります。
「繁盛」の使い方
「商売繁盛」が有名な「繁盛」の使い方となり、そのほか、「大繁盛」や「繁盛祈願」などといった言葉があります。
「繁栄」と「繁盛」の違い
栄えるといった非常に良い意味で用いられる共通点を持つ「繁栄」と「繁盛」。
その点において同じ意味を持つものの、その対象となるものが異なるといった違いがあります。
「繁栄」の場合、人や国、街や地域などが主な対象となり、それらが豊かに栄えている様子を意味する言葉となります。
一方、「繁盛」の場合は、対象はお店や会社、事業といった商売に関するものとなります。
そのため、人に対し「繁盛する」といった使い方は行われません。
「繁栄」の例文
・『私が住む街は、港の繁栄と共に成長してきた街です。』
・『子孫繁栄を祈るため、神社に祈祷してきました。』
・『会社の繁栄をかけた大きな事業が動き出しました。』
・『国家の繁栄は、今の子どもの手にかかっていると言っても過言ではない。』
「繁盛」の例文
・『商売をしている我が家では、毎年、商売繁盛を祈願するため神社で祈祷して頂きます。』
・『お店の大繁盛に伴い、従業員にも金一封が配られました。』
・『予想以上にお店が繁盛し、従業員アルバイトを急遽、追加募集しました。』
・『繁盛しているお店は活気があり良いものですね。』
まとめ
同じ栄えるといった意味を持つ言葉でも、対象によって使い分けが求められる「繁栄」と「繁盛」。
また、「繁盛」の場合は単に儲けが出ているだけではなく、人で賑わっていることも必要となり、大勢の人で賑わい、その結果、多くの儲けを出すことができている場合に「繁盛」という言葉が用いられるものとなります。