この記事では、「胡乱げに見る」の意味を分かりやすく説明していきます。
不確かな言葉を、ひとつずつ学んでいきましょう。
「胡乱げに見る」とは?意味
「胡乱げに見る」とは、疑わしそうな眼差しをしていること。
にわかに信じがたいような顔つきで、眺めている様子です。
何か隠しているのではないかと思って、怪しむ仕草を「胡乱げに見る」といいます。
「胡乱げに見る」には「胡乱(うろん)」という少し難しい表現が使われています。
胡乱には「正体がわからない、本当かどうか疑わしい」という訳があります。
また「ごたごとしていて、整えられていない」という意味もあります。
つまり物事のつじつまが合わず、おかしいと感じる点が多いことが「胡乱」です。
そのため、疑ってかかることを「胡乱げに見る」といっています。
安心して任せられない人、信用ならない人を見たときに使います。
「胡乱げに見る」の概要
「胡乱げに見る」の「胡乱」はモンゴル高原の、民族同士の戦いから生まれた言葉です。
当時は遊牧民族のことを「胡」と呼んでいました。
とある日にこの遊牧民族が村を襲撃したときに、住民たちがとても驚いた様子を見せたことから「胡乱」という言葉が生まれました。
日本でも室町時代の頃には「うさん臭いもの、怪しいもの」を「胡乱」と呼んでいたようです。
現在では怪しいものを見る目つきや、不自然な態度のことを「胡乱げに見る」といいます。
また疑いの目を向けられる様子を「胡乱げに見られる」といいます。
火のない所に煙は立たぬというように、何かやましいと感じる点があるからこそ、疑ったり疑われたりするもの。
分かっていても、心穏やかに過ごせない場合もあります。
「胡乱げに見る」の言葉の使い方や使われ方
「胡乱げに見る」はこのように使われています。
・『心のしこりが残っているのか、彼女は胡乱げに見ていた』
・『突然の訪問者を、夫は胡乱げに見た』
・『昨夜の口論のせいか、胡乱げに見られた』
「胡乱げに見る」は信用できない表情をしていること。
そのため不審がるようなシーンで用います。
反対に疑われてしまうときには「胡乱げに見られた」と変化させて使います。
「胡乱げに見る」の類語や言いかえ
「胡乱げに見る」の類語には、このような言葉があります。
・猜疑の目を向ける
・疑いの目で見る
・疑心暗鬼
・群疑満腹
いずれも「怪しい」と思うことです。
疑心暗鬼(ぎしんあんき)は色々なことが鬼に見えてしまうくらい、すべてを疑ってしまうこと。
そして群疑満腹(ぐんぎまんぷく)は、次から次へと疑問がわいてきて、心の収まりがつかない様子です。
まとめ
「胡乱げに見る」の意味と使い方をおさらいしました。
「胡乱げに見る」とは、疑わしい目つきでこちらを見ること。
嘘をついているのではないかと、訝しく思う様子をあらわしています。
同じような言葉に「疑いの目で見る」や「疑心暗鬼」などがあります。
知恵のある言葉を知って、豊かな人生を進んでいきましょう。