日常的に使われている慣用句やことわざの中に「舌の根の乾かぬうちに」というものがあります。
この言葉にはいったいどのような意味があるのでしょうか。
この記事では、「舌の根の乾かぬうちに」の意味を分かりやすく説明していきます。
「舌の根の乾かぬうちに」とは?意味
「舌の根の乾かぬうちに」とは、言った言葉が終わって間もないうちに、という意味があります。
ついさっき言った内容と、今行動していることや言っていることが食い違っている時に、その人に向かって言う慣用句でありことわざです。
「舌の根も乾かぬうちに」と言われる場合がありますが、間違いではありません。
ですが、「舌の根」を「舌の先」とおっしゃる方がいるようですが、これは間違いになります。
「舌の根の乾かぬうちに」の概要
次に「舌の根の乾かぬうちに」の概要を説明します。
舌の根とはつまり舌のつけ根のことです。
人は喋り始めると喋りやすいように唾液を分泌し口の中に水分を保ちます。
喋り終わり時間が経つと分泌は抑えられますが、抑えられて舌の根が乾く時間も置かずに喋ったことと違うことを言ったり行動したりした時に使う言葉です。
意味合い的に他の文言とくっ付けてはじめて意味が通じるものです。
しかし、会話や文章の全体の流れによっては、それだけでも意味が通じる場合があります。
また、対象への非難の言葉として言う場合がほとんどであるということも特徴として挙げられます。
「舌の根の乾かぬうちに」の言葉の使い方や使われ方
「舌の根の乾かぬうちに」は次のように使われます。
たとえば、禁煙すると話していたすぐ後に煙草を吸い始めた人に向かって、「舌の根の乾かぬうちにタバコを吸い始めるなんて決意が足りない」と忠告します。
またこの時、相手に向かって「舌の根の乾かぬうちに」とだけ言っても通じるでしょう。
「舌の根の乾かぬうちに」の類語や言いかえ
「舌の根の乾かぬうちに」の類語や言いかえとしては、 「言ったそばから」「言ってるそばから」というものがあります。
上述の例でいうと、「言ったそばからタバコを吸い始めるなんて決意が足りない」といった言い換えができます。
また、「〇〇なのに」「〇〇にもかかわらず」という接続詞でも言い換えができます。
ですが、相手への非難をあえて強調したい場合であれば、これらの言い換えの言葉よりも「舌の根の乾かぬうちに」を使ったほうが有効であると言えます。
まとめ
これまで「舌の根の乾かぬうちに」の意味や使い方を説明してきましたがご理解いただけましたでしょうか。
先にも述べましたが、「舌の根の乾かぬうちに」は対象への非難の言葉として用いることがほとんどです。
非難を強調したい場合は有効な言葉ですが、その人と自分との関係性によっては、いらぬ反感を買ってしまう場合もあります。
もし「舌の根の乾かぬうちに」の言葉が当てはまる場面に遭遇しても、言葉を言う前にその場の状況や相手との関係性を考えた上で使うことをお勧めします。