政治家のトラブルなどで聴く言葉「舌禍」とはどんな意味なのでしょうか。
今回は、「舌禍」の意味と類似表現について解説します。
「舌禍」とは?意味
「舌禍」とは、「自らの発言によって起こるわざわい」を意味する言葉です。
「舌禍」の概要
「舌禍」の「舌」は「口から発せられる言葉」を意味します。
「弁舌」や「舌戦」など主に流暢に話される言葉を指し、その人の医師のもとに発せられる意味を持つ発言「舌禍」のことを表します。
「舌禍」の「禍」は「わざわい」を意味します。
ふりかかってくる不幸や避けられない不運など「人の力ではどうすることもできないよう好ましくない事象」を指す言葉です。
「舌禍」とは「口から発せられる言葉によってもたらされる不幸」を指す言葉で「自分の発言が原因で手痛い目にあうこと」を意味する表現です。
自分の発言による不幸という意味の他に「発言に端を発したトラブル」という意味もあります。
誰かの発言がきっかけになって対立が起きたり揉めごとになったりなど「言葉をきっかけに大きな騒動が起きることやその騒動」のことを「舌禍」と表現します。
「舌禍」の言葉の使い方や使われ方
・『外務大臣の無神経な発言が舌禍となり、両国間に無用な緊張関係をもたらした』
・『正解への復帰を目論んでいたが、舌禍事件が尾を引き有権者の支持は得られなかった』
・『そんなつもりはなかったとしても結果として舌禍を引き起こしたことは真摯に反省すべきだ』
・『アイツは口が軽い上に毒舌家気取りだから近いうちに舌禍を起こすに違いない』
「舌禍」の類語や言いかえ
・口は災いの元
「不用意にしゃべると災難を招きやすいので慎むべきである」という意味のことわざです。
「わざわいや不幸を招くきっかけになりかねないので軽はずみな発言は控えたほうがいい」という戒めの意味が込められています。
発言がわざわいのきっかけになるという点が「舌禍」とよく似ています。
・炎上
「ネット上で発言や記事に対して多くの批判や誹謗中傷が殺到すること」を意味する言葉です。
批判や非難が集中し手が付けられなくなるさまを火をつけるやいなやあっという間に燃え広がってしまう様子に例えて表現しています。
「舌禍」が発言をきっかけとしているのに対し、こちらは行動や思想などあらゆるものが対象になりますが多くのケースでは発言やコメントが原因で騒動になっていることから実際の要素を踏まえるとかなり近しい表現であるといえます。
・失言騒動
「言ってはいけないことを言ってしまったために起きる騒動」を意味する言葉です。
「失言」とは言ってはいけないことや言うべきではないことを指しています。
そのような「すべきではない発言をきっかけにして揉めごとになること」が「失言騒動」の意味合いです。
「舌禍」は悪気のない発言や別の意味で発言されたものが曲解されて騒動のきっかけになるケースも含まれますが、こちらは「失言」という明確に発言者の側に非がある場合に使われます。
まとめ
SNSで誰でも簡単に言葉を世界に発信できる時代になった現在では昔よりもずっと「舌禍」のリスクは高まっています。
うかつな発言でトラブルを起こさないためにも何か言葉を発するときは「舌禍」にならないよう注意してください。