この記事では、「良識」と「良心」の違いを分かりやすく説明していきます。
「良識」とは?
「良識」には、ものごとの健全な考え方、健全な判断力といった意味があります。
ものごとにおいて偏りなく適切に判断することができる力となり、ものごとの善悪や正誤、是非、といったことを正確に見極め判断することを意味します。
このような意味から同じ意味を持つ言葉には、「常識」や「センス」、「コモンセンス」などがあります。
「良識」の使い方
「良識」がある場合、「良識がある」、「良識のある人」などと用い、「良識」がない場合は、「良識がない」、「良識のない人」などといった用い方をします。
そのほか、「良識の欠如」や「良識を示す」、「良識を疑う」、「良識を持つ」、「良識に訴える」などがあります。
「良心」とは?
「良心」は、良い心と書きます。
善悪や正邪を判断し、正しい行動を行うようとする心の働きを意味します。
なにか、ものごとに対し、それが正しいことなのか、間違っていることなのか、良いことなのか、悪いことなのか、を判断する意識となります。
このような意味から同じような意味を持つ言葉にも「心」が付く言葉が多く、善悪を判断し善い行いを行うことを意味する「道徳心」や「道義心」。
そのほか、「モラル」も「良心」の類語となります。
「良心」の使い方
「良心」には、様々な使い方があります。
心が痛む場合、「良心が痛む」といった表現が用いられるほか、「良心の裁き」、「良心に任せる」、「良心の呵責」、「良心の問題」、「良心の喪失」、「良心的」などがあります。
「良識」と「良心」の違い
同じ「良い」という漢字が付く「良識」と「良心」ですが、少し意味が異なります。
「良識」は、ものごとの健全な考え方、健全な判断力といった意味で、優れた判断力を意味します。
一方、「良心」は、正しいことと悪いことの判断といった意味があり、そのことを判断する意識を意味します。
そのため、優れているなど関係ありません。
頭で考え判断する場合は「良識」。
心で思い考えることが「良心」。
そのような違いが「良識」と「良心」にはあります。
「良識」の例文
・『同じ指導を受けるのなら、良識のある人から指導を受けたいと思います。』
・『リーダーに求められるものに必ず良識が含まれると私は考えます。』
・『こんな行動をとるとは、あなたの良識を疑います。』
・『彼の常に良識的なところに惹かれ、結婚することにしました。』
「良心」の例文
・『ネット通販を利用した際、欠陥品が届き、その時は怒りもありましたが、お店の良心的な対応により、その怒りもおさまりました。』
・『クラスメイトがいじめにあっている際、助けることができなかった自分に対し良心が痛み続いています。』
・『お隣さんは、平気でご近所迷惑になることを繰り返すような良心に欠ける人で困っています。』
・『「こんな悪いことをして、良心が痛まないのか」と息子をしかりつけました。』
まとめ
同じ良い判断、良い考えでも、少し意味が異なるため、「良識」と「良心」の使い分けには注意してください。