この記事では、「貴方」と「お前」の違いを分かりやすく説明していきます。
「貴方」とは?
「貴方」とは、二人称で「君」の軽い尊敬語として使われます。
やや気を使う相手、ある距離を置いて接する場合、そして自分と同輩、もしくは同輩以下に対しての言葉となります。
普通は目上の人には使えないとされています。
しかし相手が年上であっても親しい男女間であれば話は別となります。
特に夫婦間において妻が夫のことを呼びかける時に「あなた」と言うことは年上であろうと失礼にはならないでしょう。
また「貴方」は三人称として使うこともあります。
この場合は「あの人」の尊敬語となります。
「あの方」と「貴方」は同義語です。
このように「貴方」は二人称として使う場合、三人称として使う場合と、意味合いが異なってきますので、状況を見て判断するようにしてください。
「お前」とは?
「お前」とは、二人称で、自分から見て同等、もしくは同等以下の相手に使う言葉です。
多くの場合は男性が使うのですが、女性が使うこともあります。
ですが女性が使う場合はやや乱暴、くだけ過ぎといった印象を与えますし、上品とは言い難いですので時と場合を選ばなくてはならないでしょう。
「お前」という言葉は昔は最も高い敬意を持って使われていたのですが、明治時代以降は敬意が薄れ、対等、それ以下に対して使う二人称となりました。
「貴方」と「お前」の違い!
「貴方」と「お前」の違いを、分かりやすく解説します。
この二つの言葉は二人称という共通点がありますが、使い方に違いがありますので気をつけてください。
「貴方」とは「君」の軽い尊敬語という位置づけにあります。
やや気がねがある、距離を置いた相手に接する言葉です。
逆に男女間の場合は親しい間柄で使う言葉となります。
三人称として使う場合は「あの人」の尊敬語です。
このように「貴方」は三通りの意味合いがありますので、前後にある言葉からどの「貴方」なのか判断してください。
一方の「お前」とは昔は最も敬意のある二人称として使われていたのですが、明治時代以降は敬意が薄れ、現在は気軽に付き合える相手、同等、もしくはそれ以下の相手に使う言葉となっています。
それほど親しくない間柄に使う言葉ではありませんし、場合によっては失礼にあたる言葉ともなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「貴方」と「お前」、二つの言葉の意味と違いを説明しました。
どちらも二人称という共通点がありますが、相手との関係性を考えて使い分けをする必要があります。
片方が親しくなりたいと思っているのにいつまでも「貴方」と言い続ければ堅苦しい印象になることもありますし、逆に出会ったばかりでいきなり「お前」と言えば馴れ馴れしいといった悪印象になることもあります。
言葉の意味を正しく理解して、状況、状態に合わせて使い分けていきましょう。