この記事では、「雁首を揃える」の意味を分かりやすく説明していきます。
「雁首を揃える」とは?意味
「雁首を揃える」とは、「複数の人が首を垂れて、かしこまって集まったり、いっしょに行動したりする様子」を指す言葉です。
どちらかと言うと、そうして集まった人達を軽蔑して言う俗語です。
辞書で調べると、「雁首を揃える」とは、「人が集まり立ち並ぶ様子」を指す、やや口汚い表現と記されています。
しかし、この辞書の意味では、次項で説明する「雁首」という意味合いが入っておらず、この「雁首」の意味をしっかり表現すると、冒頭の意味が妥当だと思います。
「雁首を揃える」の概要
「雁首を揃える」とは、「複数の人が首を垂れて、かしこまって集まったり、いっしょに行動したりする様子」を意味する俗語だと前項で説明しました。
この中で一般的な辞書には余り表現されていない「首を垂れて」の意味合いが、実は「雁首」には含まれているのです。
この「雁首」とは何かを次に説明したいと思います。
「雁首」とは文字通りの意味は「鳥の雁の首」です。
しかし、かつて刻んだ葉タバコを吸う際に使われていたキセルの、葉タバコを詰める部分が、吸い口から延びるパイプに対して90度の角度がついて曲がっており、これが「鳥の雁の首」に似ている事から、「雁首」と呼んでいたのです。
すなわち、「雁首」には、首を垂れている様子、頭を下に向けている意味が含まれているのです。
厳密にいえば、実際に首を垂れていなくても、この言葉が使われるケースでは、集まる複数の人が首を垂れる様な失敗をした様なケースが多く、気持ち的には首を垂れているべきと言える場合が多いと言えるのです。
「雁首を揃える」の言葉の使い方や使われ方
「雁首を揃える」は、例えば会社の社長等が仕事上の大きな失敗をした部下たちを集めて『雁首を揃えて集まっている君達は、なぜここに呼ばれたのか、理由は分かっているはずだな!』と叱責する冒頭に使ったりされます。
このケースでは、余りにも大きな仕事を逃したり、失敗した事に対して、社長が感情的になり、口汚い言葉を使ったと言えます。
また『経験年数の少ない君達が、雁首を揃えたからと言って、この仕事をこなす事はとても無理だ!』と上司が部下に対して、少し軽く扱ったり、軽蔑的に使う事もある俗語です。
いずれのケースでも、口汚く叱責したり、軽蔑的な意味を込めて使われており、この俗語を安易に使うと、相手と大きな軋轢を生む場合もあるので、使う相手や場面に対して十分な注意が必要です。
「雁首を揃える」の類語や言いかえ
「雁首を揃える」の類語や言いかえとしては「雁首を並べて」や「頭を並べて」が挙げられますが、「頭を並べて」では少し軽蔑的、口汚い表現が柔らかくなってしまいます。
少しきつい言葉となりますが、「ぼんくら頭を並べて」の表現の方が近いかも知れません。
まとめ
「雁首を揃える」とは、辞書には「人が集まり立ち並ぶ様子」と記載されていますが、これでは「雁首」の意味が弱いため、「複数の人が首を垂れて、かしこまって集まったり、いっしょに行動したりする様子」を指す俗語だとする方が適切だと思います。