この記事では、「事柄」と「事象」の違いを分かりやすく説明していきます。
「事柄」とは?
ものごとの内容や様子。
または、ものごとそのものを意味する「事柄」。
人のありさまや体格、品格なども意味する言葉となります。
そのもの自体や内容自体を特定するものではなく、抽象的な表現、あいまいな表現となる点が「事柄」の特徴です。
「事柄」と同じような意味を持つ言葉には、「事項」、「事」、「出来事」、「ものごと」、「常態」、「事物」などがあります。
「事柄」の使い方
「事柄」は、基本、ものごとや内容以外で使用することはできません。
そのため、「粋な事柄」や「禁じた事柄」、「公式の事柄」、「別の事柄」、「必要な事柄」、「内輪の事柄」、「日常の事柄」、「重大な事柄」、「幸運な事柄」など、どのような内容なのかを意味する使い方が主な「事柄」の使い方となります。
「事象」とは?
何らかの事情で表面に現れた事柄を意味する「事象」。
表面に現れた事柄ということで、観察することができる目に見え形として現れる事項を意味しています。
現実の出来事や現象といった意味となり、数学において試行の結果が起こる事柄といった意味もあります。
「事象」と同じような意味を持つ言葉には、「事」、「出来事」、「イベント」、「現象」、「ものごと」、「イベント」などがあります。
「事象」の使い方
天気など自然現象の際に用いられることが多い「事象」。
そのため、「自然界の事象」、「有害事象」、「特定の事象」、「事象の変動」、「事象基準」、「事象の認識」、「複数の事象」、「事象の内部」、「事象の発生」、「偶発事象」などといった使い方があります。
「事柄」と「事象」の違い
ものごとを判断する際に用いることが多い「事柄」に対し、自然現象など観察できるものを表す際に用いることが多い「事象」。
同じような意味でも、その使い方は全く異なります。
「事柄」の場合、抽象的な表現として用いられますが、「事象」の場合は、実際に目で見て確認できるようなものに対し用いられます。
この点において、「事柄」と「事象」には大きな違いがあります。
「事柄」の例文
・『明日、重大な事柄について上司から説明があるそうです。』
・『あまりにも複雑な事柄なので、電話ではなく実際に会ってお話ししたいと思います。』
・『次に別の事柄について、ご説明させて頂きます。』
・『ここで、お話したい事柄はたくさんありますが、時間の関係上3つだけお話しさせて頂きます。』
「事象」の例文
・『気象データに基づく事象は、信頼できるものがほとんどです。』
・『私は、今回の事象に基づき、引き続き研究していきたいと思っています。』
・『冬の到来を告げる今年初めての事象が発生しました。』
・『自然界の事象には、非常に興味があります。』
まとめ
馴染みある「事柄」に比べ、さほど、日常会話で用いられることが少ない「事象」。
両者には、以上のような意味があり、それぞれに適した使い方が求められる言葉となります。