同じように見える表現でも、蓋を開けてみると中身が異なる言葉もあります。
この記事では、「迅速」と「速やか」の違いを分かりやすく説明していきます。
違いを正しくおさえて、日本語の知識を深めていってください。
「迅速」とは?
迅速とは仕事の段取りなどが、とても早いことをあらわす言葉です。
キビキビとした様子で物事がスピーディに進んでいくさまを表現しています。
軽やかに何でも進んでいく、いさぎよい言葉です。
「迅速」の迅には、進捗が速い・進展が早いという意味もあります。
そのため迅速はビジネスの現場では「手際よく仕事をすすめる」という良い意味でつかわれることが多いです。
間髪おかずにすぐに仕事をしてくれたことを、感謝する例えとして用います。
「迅速にご対応いただき、ありがとうございました」や「迅速にプロジェクトを進めていただき、感謝申し上げます」などが例文になります。
丁寧な言葉のため、上司や取引先など大切な方につかう場合が多いです。
「速やか」とは?
速やかには、できるだけ早く・もたもたせず急いでという意味があります。
考える時間があったら、ひとまず行動しよう。
そんな時によく使うフレーズになります。
似たような言葉として、即座に・ただちにがあります。
速やかの「速」には、すぐに・急いでというニュアンスが入っています。
そのため「速やか」というフレーズは、相手に急ぎの用をお願いしたい時によく用いられます。
例えば図書館でのシーン。
「返却期限がすぎたので、速やかに返却してください」は、本を大至急返してくださいという意味です。
また学校での「対象者は速やかに、試験を受講してください」は急いで試験を受けてくださいという意図になります。
速やかは相手により強い対応を迫りたい時によく使われます。
「迅速」と「速やか」の違い
ビジネスの場でも、よく用いられるのが「迅速」と「速やか」です。
「迅速」と「速やか」の違いを、分かりやすく解説します。
今さら聞きにくいビジネス語をきちんと理解して、明日に活かしていきましょう。
・「ありがとう」と「お願いします」の違い
迅速も速やかも「すぐに」や「早い」という、物事の展開がとても早い様子をあらわした言葉です。
ところが使われるシーンには、微妙な違いがあります。
「迅速」は仕事や作業をスピーディに処理してくれた相手に対して、お礼の意味をこめて使う場合が多いです。
一方で「速やか」はこれから仕事や作業をおこなう相手に対して、強い口調で指示するときに用います。
急ぎで手を付けて欲しいとき、優先して作業をおこなって欲しいときに使います。
ややきつい言い方になるので、自分の上司に対して使うのは控えておきましょう。
まとめ
「迅速」と「速やか」の違いをまとめてお伝えしました。
どちらも「すぐに」の意味がある、段取りの早さなどを伝える言葉になります。
迅速は早く処理してくれた相手に、お礼の気持ちを伝えたいときに使います。
速やかはこれから急ぎでおこなって欲しいときに用います。
正しい使い方を抑えて、ビジネスの場に活かしていきましょう。