この記事では、「増長」と「助長」の違いを分かりやすく説明していきます。
「増長」とは?
「増長」には2つの意味があります。
一つは、次第に程度がましていくことです。
程度とは、ものごとの度合いです。
程度といっても、さまざまな事柄の程度があり、「増長」には何についての程度なのかという意味は含まれていないため、さまざまな事柄についていうことができます。
たとえば、怒りについてです。
子どもが片付けをせず、怒りを感じたとします。
子どもを注意しても、片づけるそぶりを見せません。
それどころか、おもちゃを広げてさらに部屋を散らかしました。
こういった態度を取られると、怒りがますます高まってきます。
怒りの程度が増していったのです。
このことは「怒りが増長される」と表現できます。
もう一つの意味は、次第に高慢になることです。
高慢とは、自分が優れていると思って人を見下すことです。
そのようなさまの程度が増すことを「増長」といいます。
「増長」の使い方
度合いが増すという意味合いで使用をします。
恐怖や怒りなどの感情、体型や乾燥など物事の状態など、さまざまな事柄について使用されています。
「助長」とは?
「助長」には2つの意味があります。
一つは、ある物事の傾向を顕著にすること。
力を貸して成長や発展を助けることです。
犬がカーテンに隠れておしっこをしてしまったとします。
このことに対して、飼い主は犬を叱りました。
しかし、叱ると「おしっこをしてはいけないのだ」と思って、ますます隠れて行うようになります。
ある傾向が顕著になってしまうのです。
こういった何かの働きかけによってある傾向が顕著になることを「助長」といいます。
もう一つの意味は、不必要に力を貸すことで、かえって悪い結果になることです。
良かれと思ってやったことが、かえって害になることをいいます。
「助長」の使い方
ある傾向がはっきりする方向に働きかけるという意味で使用をします。
悪い意味で使われることが多いです。
また、外部からの働きかけで成長や発展を促すという意味でも使用をします。
植物の成長を促すなどは、悪い意味は含まれていません。
「増長」と「助長」の違い
「増す」という意味合いを持つ2つの言葉ですが、何が増すのかという点に違いがあります。
前者の言葉が意味する増すものとは、程度や高慢さです。
後者の言葉が意味する増すものとは、ある傾向です。
また、物事の発展・成長を助けるという意味もあります。
「増長」の例文
・『脅威が増長する』
・『怒りを増長させないように対応をする』
・『乾燥が増長してしまった』
・『敵意を増長させる結果となった』
「助長」の例文
・『ムダ吠えを助長することになる』
・『フードロスを助長することになる』
・『恐怖心を助長する』
・『植物の成長を助長する』
まとめ
増すという意味合いを持つ2つの言葉ですが、何が増すのかという点に違いがあります。