「取り乱す」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「取り乱す」とは?意味と使い方

この記事では、「取り乱す」の意味を分かりやすく説明していきます。

「取り乱す」とは?意味

「取り乱す」とは「心がかき乱され、平静心を失い、見苦しい態度をする」ことや、「物を散らかしたり、だらしない身なりをしたりする」という意味を持つ言葉です。

しかし、最近ではほとんど前者の意味で使われ、後者の意味で使われる事は余りありません。


「取り乱す」の概要

「取り乱す」の意味は前項で記載した通りで、現在では「心がかき乱され、平静心を失い、見苦しい態度をする」意味で使われており、「物を散らかしたり、だらしない身なりをしたりする」の意味では「取り散らかす」や、それを砕けた表現とした「取っ散らかす」が使われていると言えます。

ここで改めて考えると、「乱す」「散らかす」の頭に、付けられている「取り」の言葉の意味が気になる方も多いでしょう。

実はこの「取り」は接頭語として動詞などに付ける事で、語調を整え、改まった感じにするための言葉で、意味としては特にありません。

従って「取り乱す」は単に「乱す」と同じ意味で、「心が乱れる」場合にも、「物が乱れた」状態の場合にも使える言葉なのです。

しかし言葉は生き物であり、心にも物にも使える言葉が、いつしか「心の乱れ」に対してのみ使われる事が増えたのです。

ちなみに、「取り乱す」ことで泣いたり、泣き叫んだりと言った見苦しい態度を取る事が多いと言えます。

しかし「取り乱す」状況は、肉親の突然の死など、誰しもが同様に「取り乱す」ことが多い出来事の場合なので、実際には周囲の人は、余り見苦しいとは感じていないと言えるでしょう。


「取り乱す」の言葉の使い方や使われ方

「取り乱す」の言葉は、『子供が交通事故で突然亡くなった場合、取り乱す事がない親などいないと言えます。』や『東日本大震災では、多数の人が肉親を亡くし、家を流されました、そうした人達は一時的には取り乱されたものの、社会全体がパニックになる事がない状態を見て、多くの外国人は日本人に賞賛を送りました。』の様に使われます。

「取り乱す」の類語や言い換え

「取り乱す」の言葉は、「我を失う」「我を失くす」「動転する」「パニックになる」等と言い換える事が出来ます。

まとめ

「取り乱す」とは「心がかき乱され、平静心を失い、見苦しい態度をする」ことや、「物を散らかしたり、だらしない身なりをしたりする」という意味を持つ言葉です。

しかし、最近では前者の意味で使われ、後者の意味で使われる事は余りありません。

後者の意味を表現す場合には、「取り散らかす」と使われる事が多いと言えます。

ちなみに、「取り乱す」「取り散らかす」「取り」は動詞等に接頭語として付けて語呂を整えたり、改まった表現とするためのもので、言葉としての意味はありません。

こんな意味のない接頭語が付く場合がある点も、日本語の難しさの一つと言えるかも知れません。

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