「艶福家」
この艶福家という表現は、今では滅多に見ないと思います。
ですが、小説の中で見掛けたり、年配の人だと普通に使うこともある言葉なので、知っておいて損はありません。
「えんぷくか」と読み、使われている漢字から、何やら色めいたものを感じてしまいますが、その通りの言葉だと考えていいでしょう。
「艶福家」の意味
艶福家とは、いわゆる「モテる男」のことを表す言葉です。
「艶」(えん)という漢字は「つや」とも読み、この一字だけで「女性の色気」を表現する言葉として使われます。
その色気によって福に絶えない男性のことを指して使う言葉です。
その為、対象は男性限定になります。
また、「女性関係にだらしない」という意味で使われることがありますが、それは誤用で、この言葉は「本人に特にその気はないのに、何故か常にモテている」という状態の男性に対して使います。
「艶福家」の類語と解釈
艶福家という言葉を現在ではほとんど見聞きすることがないのは、この言葉が見掛けからも現代風ではなく、昔の言葉だからとも言えるでしょう。
その現在風に言えば、「色漢」(いろおとこ)が一番適した言葉だと言うことができます。
「漢」を「おとこ」と読んで、「艶福家」と同様に「とにかくモテる男性」という意味で使う言葉です。
この表記が正しいとされていますが、普通の「男」を用いて「色男」としても構いません。
「艶福家」の英語と解釈
英語には日本語の「モテる」に相当する言葉がない為、この「艶福家」に相当する表現となると、スラングを使うことになります。
そのスラングで「モテモテ」という状態を表すのによく使われるのが、“chick magnet”という言葉です。
“he is a chick magnet”と言えば、「彼は艶福家だ」と解釈できます。
まるで磁石に吸い寄せられるように女性が寄ってくる様子がこの“chick magnet”です。
「艶福家」の言葉の使い方
艶福家は、それをうらやましいと思った時、または単に(その人を)そういう男だと表す為に使います。
冷やかしに使われることも多い言葉ですが、どちらかと言えば、先のように「うらやましい」という意味が込められていると考えていいでしょう。
「艶福家」を使った例文・解釈
艶福家を使った例文です。
この言葉は、小説の中ではたまに見る表現ですが、実際に使われている場面はほとんど見掛けないので、参考程度に見ておいてください。
「艶福家」の例文1
「彼は何故あんなに艶福家なのだろう」
彼はどうしてそんなにモテるのだろうかと言っていますが、その様子を表す為に、わざわざこのような表現にすることは、現在ではまずないと言っていいでしょう。
その為、あくまで使い方の例となります。
無理に「艶福家」という言葉を使うことはありません。
「艶福家」の例文2
「あいつは艶福家故に、女性絡みのトラブルも多いようだ」
その人がモテる為が故に、女性関係のトラブルも多いと言っている例文です。
女性が絡んだトラブルは、下手をすると命取り(社会的な意味で)となってしまうこともあるので、モテるというのもいいことだけではないのかも知れません。
「艶福家」の例文3
「あの人は昔から艶福家だったが、生涯未婚だったらしい」
必要以上にモテた為に、婚期を逸してしまったということのようです。
常に多数の女性が周りに居るような男性は、いくら魅力的だったとしても、女性から見て夫として考えるのは難しいことも多いのでしょう。
「艶福家」の例文4
「艶福家をうらやましいと言っているようでは、まだまだ若輩だと言わざるを得ない」
年配の人が若者に諭すように伝えている例になります。
モテるだけが全てではない、下手にモテてもいいことはないといったことを言いたいのだと思われます。
このようなことを言われた時には、人生の先輩からのありがたい箴言として聞いておきましょう。