「葛藤を抱える」とは?意味や使い方を解説

ことわざ・慣用句

「葛藤を抱える」

「葛藤を抱える」「かっとうをかかえる」と読みます。

社会人になり本音と建前をコントロールしなければならない時に良く使われる言葉です。

「葛藤を抱える」の意味

「葛藤を抱える」には以下の2つの意味があります。

「葛藤を抱える」の意味1

「人間関係のもつれに巻き込まれて悩むこと」の意味他人と考え方や価値観が違うことで対立してしまい、険悪な雰囲気になっていることです。

もめ事が解決できずに、自分の中にいつまでも残してしまっている状態を表しています。

「葛藤を抱える」の意味2

「心の中に複数の相反する欲求や感情が湧き、どちらを選ぶかで迷い苦しみ続けていること」の意味こちらの意味は少し長いのですが「葛藤を抱える」という言葉で見事に表現しています。

幾つかの選択肢があり、どれか1つを選ばなければならないのですが、迷ってしまい悩み続けている状態を表しています。

こちらは日常生活で迷った時によく使われる言葉で、何かの選択に迷った時に気軽に「葛藤する」と言う人もいます。

但し「葛藤を抱える」「葛藤+を(助詞)+抱える」から成り立っていて、「抱える=処理・解決しなければならないことを負う」という意味が付く為に「継続的に悩み続けている」という意味が強くなります。

「葛藤を抱える」の言葉の使い方

「葛藤を抱える」はどの様な時に使うのかについて紹介します。

2つのものが同じ条件で迷った時に

同じ様な条件の2つ以上のものが同時に接近していて、選択肢を迫られている時に使います。

やりたいことが重なったり、同時に2人の異性から告白された時などに、どちらを選ぼうか悩んでいる状態として使います。

2つのものが真逆の条件で迷った時に

同じものごとの中で1つの条件はとても魅力的なのですが、もう1つの条件がデメリットとなり、受けるか受けないかで迷っている時に使います。

良い仕事なのに残業が多かったり、恋人にしたいけれどもニートであるなどで決断を迷っている時に使います。

どちらもネガティブな条件で迷った時に

どちらも悪い条件なのですが、必ずどちらかを選ばなければならない時に「究極の選択」として使います。

仕事は嫌だけれども辞めて収入がなくなると困る場合や、今の恋人と結婚したくないけれども一人になるのは寂しいと思っている時に使います。

「葛藤を抱える」を使った例文・短文(解釈)

「葛藤を抱える」を使った例文と解釈を紹介します。

「葛藤を抱える」の例文1

「部長は部下のどちらにリーダーを任せるかで葛藤を抱えている」

部署に同じくらいの能力の部下が2人いる時に、チームリーダーを任せるにはどちらがふさわしいか悩むものです。

2人の能力だけではなく性格も分析しながら日々悩んでいる様子が伝わります。

「葛藤を抱える」の例文2

「あの部署はお局同士の葛藤を抱えている」

部署内にベテラン女性が2人いると、どちらが優れているかだけではなく、どちらが先に結婚できるかなどを争う様になります。

表面上は上手く付き合っていても、内面で「負けたくない」と思っている様子が伝わります。

「葛藤を抱える」の例文3

「長い間葛藤を抱えていたが、やっと会社を辞める決心がついた」

今の仕事を辞めようか続けようか長い間迷っていたけれども、気持ちの整理がついたことを表しています。

リスクがあっても会社を辞めて転職をする方を選んだことがうかがえます。

「葛藤を抱える」の例文4

「収入を取るかやり甲斐を取るかで葛藤を抱えている」

仕事で転職したいと思っているのですが、中々ピッタリの求人が見つかりません。

給料は高いけれどもあまり興味のない仕事を選ぶか、給料が低くてもやり甲斐がある仕事を選ぶかで現在悩み続けている状態です。

「葛藤を抱える」の由来・語源

「葛藤を抱える」の由来は、漢字の意味から来ています。

「葛」「くず(植物)」のことで、「藤」「ふじ」のことです。

どちらも「つる」が特徴の植物で、2種類が並んで植えられているとお互いが絡まってしまうことから、感情のもつれを「葛藤」と言う様になりました。

これに「ものごとを請け負う」という意味の「抱える」が組み合わさり、「苦悩する状態が続く様子」を表す様になったのです。